2011年10月9日日曜日

あのヒトは 今頃、ソクラテスと会っているかも。56歳、逝く。


アメリカ人の大好きな劇的な生き方をしたヒト。伝説的なカリスマリーダー、スティーブ・ジョブス(Steve Jobs)が他界。享年56歳。ご存知、マウス機能付きPC時代を拓いたヒト。アップル社の共同創業者。だが、権力闘争に敗れ、退社。その後、業績悪化したアップル社のトップに返り咲き、iPhonやiPodでV字回復。スマートフォーン時代を拓いたヒト。時下総額世界一の企業へ。アメリカでしか誕生し得ない特別なヒトです。

日本のMac愛好者は別だが、彼の評判は日本ではあまり良いとは言えない。その理由は、訪日した時の日本トップ企業のリーダーたちの印象を“死んだ魚”(dead fish)と米国某有名誌に語ったのが原因の一つ。彼は、欲深い人々の見えすぎた"歓迎ぶり"を称して《日本人は死んだ魚のように岸に押し寄せ、海岸を埋め尽くした》と表現したからです。加えて、出国時に空港係官との問答の中で《こんな国二度と来ない》と言ったとか言わないとか…。真意の程は分かりませんが、利己的で損得を第一義とする思考性。哲学なき知識人たち。そんな品格に欠けた今の日本のリーダーたちに彼は失望したのだと言われている。

かつての日本はSONYやHONDAが生まれ育った国。その国のトップたちは市場の創造や技術の革新に関して誇りと勇気を持っているに違いない。彼はそう思っていたのかも知れません。それが今の日本は浅ましくも利害優先。確固たる哲学も主義主張もない。リスクを負わずに金儲けしたいだけ…。まるでウォール街に掃いて捨てる程いるトレーダーたちと何ら変わり無い。その程度の人々…。そう感じたことが"死んだ魚"という辛辣な言い方になったでは…。言われて見れはその通りですからそのレベルの人々はマジで“ムカついた”と言うわけです。

個性的なパーソナリティー。世界屈指の大金持ち。本質を見抜く鋭い心眼力。だから彼の言動を世界が注目した。数々の名言集が出版された。その中でも最も有名な言葉が…

Stay Hungry, Stay Foollish 貪欲であれ・バカであれ

彼はスタフォード大中退なのですが母校卒業式での祝賀スピーチで述べた最後の一言です。この前段で彼はこうも述べています。これも名言の一つ。すなわち…

君たちの時間は限られている。だから他人の誰かの人生を生きる時間などない。定説(ドグマ)にとらわれたり、多数派のどうでもいい雑音や考え方に惑わされたり、自分の内なる声に溺れたりしてはならない。自分の心や直感を信じ、本当の自分を捜し求め、勇気を持ってそれを実現すべきだ。

もっとも美しい彼の言葉として知られているのが《もしソクラテスと一日だけ午後の一時を共に過ごせるなら、私の全てを捧げても良い》。自分に正直に生きたヒト。妥協を許さず、自分を信じ、考え方を貫いたヒト。そんな彼はソクラテスになら何か聞いてみたいことがあったのかも知れません。きっと今頃は天国のどこかのカフェで隅の小さなテーブルに二人で座り、楽しげに語り合っていることでしょう。スティーブ・ジョブスの生き方や考え方は世界中の若者たちに末永く語り継がれることでしょう。合掌

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