2010年11月24日水曜日

懐かしいベトナムの一本道



食べ物と旅行は人気TV番組の定番。どの局も代わり映えがない。何気なく観た番組がベトナムへの旅でした。それも国道1号線を縦走するバスツアー。安土桃山時代、日本人街があったとされる中世の貿易港、古都ホイアンからグアンガイまでの風景でした。とても美しい海岸が続くルートです。

5年前、知人たちと持参した自転車でインドシナ半島を縦断しました。ベトナム終戦から30年目の年です。国道1号線は各地で高速道路建設の基礎工事中(日本の大手ゼネコンの看板が立っていました)でしたが、TVで見るかぎり、当時と変わらない風景でした。グアンガイ近くで不覚にもパンク。独りで修理。一行と大幅に遅れ、必死で彼らを追いかけた懐かしい一本道が映し出されました。

2週間の自転車の旅でしたが日本人とは誰一人会うことがなかった。でも、今は何処も日本人旅行客で賑わっていることでしょう。食材の自然な味を活かした美味しい料理。お洒落な服装と小物類。人々の優しさと笑顔。ベトナムは日本人好みの国です。出会ったヒトへのお土産にと思い、出発前に100円ショップでサングラスを購入。ホイアンで出会った少女らに手渡すと小声で"Thank you!"。"Where have you been?"と流暢な英語で聞いて来ました。あの子供たちは今頃どうしていますかネ。

2010年11月22日月曜日

犬も歩けば棒に当る?


口は災いのもと。軽い気持ちで発した言葉が命取りになる。一国を司る大臣クラスも一言二言軽々に口にしたことが度々TVに流れ、その後「申し訳ありませんでした」と頭を下げても人々の中に記憶され、結果、更迭される。失言の重さこそ違いますが誰にでも起こりえることです。字も怖いですが口も怖いですね。

この十年イヤ二十年…とにかくこの閉塞感の原因の一つはクルクル変わるトップの顔です。その度に仕切り直し。その場足踏みで一向に前に進まない。この現状はどうすればいいのか。前へ一歩踏み出す方法は無いものでしょうか。

そんな中で明るいグッドニュースはノーベル化学賞受賞。それも二人。これまで受賞した日本人は計18名(今回を含み)。そのうち7名は化学賞とのこと。サイエンスが高いレベルにある証明です。嬉しいですネ。彼らの実績はいずれも30代後半、研究の中で閃き、成し遂げた成果とのこと。やっぱり閃きは若くて柔軟な思考に宿るわけです。今回受賞した「クロスカップリング」と称する有機合成法を研究した鈴木章博士(北海道大学名誉教授)。初会見で何気なく発した言葉がとても素晴らしい。強く印象に残るコメントでした。その言葉とは…セレンディビティー(serendipity)。

聞き慣れない言葉です。辞書によると、失敗してもそこから見落とさずに何かを学び取る能力、成功に結びつける才能とのこと。多くのノーベル受賞者はセレンディビティーに長けたヒトであることは間違いありません。単に幸運に恵まれただけではない。要するに、何かを発見したという"現象"ではなく、何かを発見する"能力"を指すらしい。チョットした偶然から閃くことを意味しているとのこと。言葉の語源は18世紀のイギリスの作家ホレス・ウォルポール(写真)の寓話『セレンティプの三人の王子』(The Three Princes of Serendip)からきた造語とのこと。セレンティプとは植民地だったスリランカのことらしい。

犬も歩けば棒に当る。コロリ転げた木の根っこ。これもセレンディビティー。つまり、犬は棒を探して歩いていたわけではない。木の根っこを目指して転んだわけでもない。たまたまその時ピーッと閃いたわけです。常日頃から問題意識を持つことがいかに大事かと言うことです。大臣も官房長官も常日頃から問題意識を持っていた。だから口が滑ってしまった。しかし、彼らにセレンディピティーがあれば、この失言から何を閃き、成功への足がかりにする。そんな才能豊かなヒトであることを望みます。彼らが30代後半だとかなり期待できるのですが、歳を取り過ぎているのでダメかも…。とにかく、何を考え、何を閃くか。それが問題なのです。

2010年11月11日木曜日

昨今の出来事をコペルニクスさんに聞いてみたい

地動説を唱えたコペルニックスが死罪になった時「悪法も法は法だ」と言って刑を受けたとか。国家の基本は法律に準拠した政治です。一企業ですらコンプライランス(法令遵守)が強く求められているのが現代。悪法はイヤですが法律遵守でなければ法治国家とは言えません。

それが、この国では時々不思議な事が起きます。例えば、中国漁船衝突事件。いかに大国チャイナとの領土問題だとは言え、逮捕取り調べ中の船長を急に保釈。帰国。その上で被疑者不在で立件しようと言うのですからネ。それも地方検事の"独自の判断"でそうなったと政府首脳が弁明する。ですから、諸外国から変な国だと冷笑され<コペルニックス的転回>と揶揄されるわけです。何と言われようとも、結果的に国際会議場の廊下で中国トップと"立ち話"が出来た。それが情けない。軽くて弱い今の日本外交を象徴してますね。

そして、今回のYouTube事件です。政府首脳が急に"国家秘密"だと言い出したビデオ画像を海保職員が投稿。守秘義務違反で処罰を検討中とのこと。一端ネットに出たら一瞬で世界中に広まる。インターネットの怖さですね。もしかして今回も地方検事の"独自の判断"とやらで意味不明の決着となるかも知れません。お得意のコペルニックス的転回というヤツです。やっぱりこの国はおかしい。上も下もガラパゴス化しています。

横浜みなとみない地区は今、2万1千人の警察官で込み合っています。例の世界の超トップが集結するAPEC会場です。ですから、今回は立ち話どころか廊下で擦れ違うことも難しいかも知れません。世間では現政権のことを『仙官ヤマト』と言っているそうですネ。このヤマト、この先どこへ向かって行くのでしょうか。