今年も残り少ない。街行く人々はどことなく忙しなく早足で歩いています。そんな仕事納めの寒い朝。電車が来ません。駅のホームに“人身事故”の赤文字サインが出ました。
どんな深刻な事情があったのか…知る由もありません。が、自ら命を絶つ程、重要なことがあるのでしょうか。そんな世の中なのでしょうか。笑って生きてこそ人生…。電車を待ちながら“スマイル”のメロディーが脳裏に浮かびました。こんな日に電車に身を投じたヒトへ。この曲を聴かせたかった。もしかして、思い止まったからも…。
Smile even though your heart it is aching
微笑んで、たとえ君の心が痛んでも
Smile even though it's breaking
微笑んで、たとえ破れても
When there are clouds in the sky
空に雲が立ち込めても
You'll get by
君ならきっと切り抜けられるから
If you smile through your fear and sorrow
恐れる事も悲しい事も乗り越え、微笑むなら
Smile and maybe tomorrow
微笑んで、そしてたぶん明日には
You'll see the sun come shining through for you
君のために輝いてくれる太陽を見るだろう
Light up your face with gladness
訪れる喜びに君の顔を輝かせて
Hide every trace of sadness
どんな悲しみの跡も見せずにいよう
Although a tear may be ever so near
たとえ今すぐにも涙しそうだとしても
That's the time you must keep on trying
そんな時にこそがんばり続けて
Smile, what's the use in crying
微笑んで、泣いたってどうにもならない
You'll find that life is still worthwhile
人生にはまだ生きる価値があることを君はわかるはず
If you'll just smile
もしも微笑もうと思うなら
Smile...
微笑んで
この曲“スマイル”(Smile)は『モダン・タイムス』(Modern Times)のラストシーンで歌われました。1936年のアメリカ映画です。チャーリー・チャップリンが監督・製作・脚本・作曲を担当した喜劇映画の傑作の一つ。
弱肉強食の資本主義社会。カネの力で人のココロが変る。人間の尊厳が失われ、機械の一部分のように扱われる。そんな切ない世の中を“笑う”ことで自らを救う。場末の酒場でインチキ外国語(フランス語?)で歌うシーン。
この映画も理由の一つとなり、彼は戦後(1952年)アメリカから追放される。20年後、再び同国の地を踏む契機となった第44回アカデミー賞授賞式のフィナーレ。彼がオスカー像を受け取る際、会場全員が総立ちになり大合唱したのがこの名曲です。