2010年11月22日月曜日

犬も歩けば棒に当る?


口は災いのもと。軽い気持ちで発した言葉が命取りになる。一国を司る大臣クラスも一言二言軽々に口にしたことが度々TVに流れ、その後「申し訳ありませんでした」と頭を下げても人々の中に記憶され、結果、更迭される。失言の重さこそ違いますが誰にでも起こりえることです。字も怖いですが口も怖いですね。

この十年イヤ二十年…とにかくこの閉塞感の原因の一つはクルクル変わるトップの顔です。その度に仕切り直し。その場足踏みで一向に前に進まない。この現状はどうすればいいのか。前へ一歩踏み出す方法は無いものでしょうか。

そんな中で明るいグッドニュースはノーベル化学賞受賞。それも二人。これまで受賞した日本人は計18名(今回を含み)。そのうち7名は化学賞とのこと。サイエンスが高いレベルにある証明です。嬉しいですネ。彼らの実績はいずれも30代後半、研究の中で閃き、成し遂げた成果とのこと。やっぱり閃きは若くて柔軟な思考に宿るわけです。今回受賞した「クロスカップリング」と称する有機合成法を研究した鈴木章博士(北海道大学名誉教授)。初会見で何気なく発した言葉がとても素晴らしい。強く印象に残るコメントでした。その言葉とは…セレンディビティー(serendipity)。

聞き慣れない言葉です。辞書によると、失敗してもそこから見落とさずに何かを学び取る能力、成功に結びつける才能とのこと。多くのノーベル受賞者はセレンディビティーに長けたヒトであることは間違いありません。単に幸運に恵まれただけではない。要するに、何かを発見したという"現象"ではなく、何かを発見する"能力"を指すらしい。チョットした偶然から閃くことを意味しているとのこと。言葉の語源は18世紀のイギリスの作家ホレス・ウォルポール(写真)の寓話『セレンティプの三人の王子』(The Three Princes of Serendip)からきた造語とのこと。セレンティプとは植民地だったスリランカのことらしい。

犬も歩けば棒に当る。コロリ転げた木の根っこ。これもセレンディビティー。つまり、犬は棒を探して歩いていたわけではない。木の根っこを目指して転んだわけでもない。たまたまその時ピーッと閃いたわけです。常日頃から問題意識を持つことがいかに大事かと言うことです。大臣も官房長官も常日頃から問題意識を持っていた。だから口が滑ってしまった。しかし、彼らにセレンディピティーがあれば、この失言から何を閃き、成功への足がかりにする。そんな才能豊かなヒトであることを望みます。彼らが30代後半だとかなり期待できるのですが、歳を取り過ぎているのでダメかも…。とにかく、何を考え、何を閃くか。それが問題なのです。

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