2011年8月3日水曜日

未来のニーズを知る秘訣は何か


学生時代のゼミ仲間の一人が退職。渋谷で"ご苦労さん会"をしました。秀才でエリートコースを歩んだ彼はヘッドハンティングされ、現職は携帯デンワ部品メーカーの幹部。最後の牙城(?)だったらしい国内工場が円高で海外移転。これが退職の背景にあると聴かされました。晩婚でバツイチ。末娘はまだ大学生。住宅ローンも返済中とか。身に詰まされる話です。中小企業診断士として経験豊富な彼は、故郷仙台へ戻り、震災復旧に苦しむ中小零細の支援活動をしたいとのこと。

携帯デンワ世界一のNOKIAがスマートフォンiPadの登場でAPPLEに負けたことが話題になりました。ウォークマンのSONYも同じですね。長年積み上げてきた世界一の企業実績が一つのアイテムが登場したことでアッという間に転落する。それも他業種からの"新参者"に負ける。大型タッチパネルiPodの登場で次はラップトップPCも消滅するかも知れないとのこと。不連続な革新。これが現代の怖さですネ。話題が講じて若い頃、大ショックを受けた通称"三点セット"の事へ。つまり、①ピーター・ドラッカー(Peter Drucker)著『断絶の時代』、②アルビン・トフラー(Alvin Toffler)著『未来の衝撃』、③ハーマン・カーン(Herman Kahn)著『33年後の世界』の三冊。いずれも未来社会がどうなっていくのかを論じた名書です。驚くのはあれから40年後の今、殆どが現実にそうなっていることです。なぜ彼らは未来がそうなる…と思ったのだろうか。「彼らはユダヤ系だからでしょう…」と誰かが言い。妙に納得です。

3人中一人は数年前からリバイバル・ブームになっています。"もしドラ"と言うらしい。今となれば半ば神格化されたピーター・ドラッカー[写真参照]ですから、彼の"信者"たちは様々な解釈を付け加え、独自のドラッカー論を展開しています。が、その根幹は「顧客の創造」。それを成しと遂げるには「マーケティング」(市場)と「イノベーション」(革新)が必要。大切なのは現状のニーズではなく、未来のニーズだということです。データを集め、どのように分析しても、そこにあるのは現状のニーズだけ。未来のニーズはない。次世代で求められる潜在的な価値をどう見つけるか。APPLEの凄さはソレを見つけたことです。

ちなみに、その後、不滅の名書「マネージメント」を出したドラッカーは2005年、享年96才で他界。「大転期」を出したカーンは3年後、1983年、享年61才で他界。「第三の波」や「富の未来」を出したトフラーだけが健在。83才。これから40年後の世界はどうなっているのか。どんなビジネスが伸びるのか。どんな商品なら売れるのか。未来のニーズを知る秘訣は何か。などなど、教えて欲しいですネ。

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