2010年7月29日木曜日

ルバング島でのチョット気になる話し



久しぶりに旧友と会い、酒を酌み交わしました。彼は大手新聞社の海外支局が長く、最後は東京本社の管理職で退職。現役時代は東南アジアの専門家として何か政変があると人気TVニューズ番組に度々出演。著書も多い。これからどうする…と彼に訊くと「それが問題でネ」とのこと。彼であっても退職後もジャーナリストとして仕事してゆくのが難しいらしい。

酔うにつれ、若き日々を共に過ごしたフィリピンでの話しに華が咲きました。特にルバング島で過ごした数日は思い出深い。当時、私は水泳コーチとして、彼は博士課程の大学院生として、共に国立フィリピン大学の構内に住んでいました。日本人が少ない頃ですから何かと助け合いながら過ごしました。ある時、彼の日本大使館の知人から、高額なバイトの話しが舞い込んできました。ルバング島に生存(?)しているかも知れない旧日本軍兵士を捜索する本調査がある。その予備調査を兼ねた現地視察があり、それに通訳兼雑用係として雇われたのです。その年は年明け早々、グアム島で横井庄一さんがジャングルの中から生還。その数ヶ月後、確かにルバング島のジャングルの中で日本兵と遭遇したフィリピン兵との間で銃撃戦があり、そのヒト(小塚某)は死亡。また、マニラ市内でも日本人の商社マンがゴルフ場前で機関銃で殺害されるなど何かと物騒の多い年でした。

バイト料の魅力もさることながら"日本兵"(?)への興味があり、若い二人はイソイソと出向きました。猛暑の中での現地調査は大変。そして、収集できた情報の質の悪さにウンザリ。イイ加減な二次か三次情報ばかりでした。しかし、嬉しかったことは日本食です。調査員が日本から持参した様々な加工食品です。特に赤飯他の缶詰類とうどんやそばなどのインスタント食品類に感動しました。結局、現地での印象は、昔は居たかもしれないが戦死した小塚さんがラストソルジャーに違いない。「もう居ない」と誰もがそう思いました。その後、日本政府による本格的な捜査が行われたのですが、結果は同じだったようです。残念ながら、その時はお声が掛かりませんでした。そんな事すらスッカリ忘れていたある日、ほぼ一年後のこと、何と小野田少尉がピョッコリ生還してきたのです。心底驚きました。あの時もどこかで観ていたのかと思ったら、正直、ゾーッと怖くなったのを覚えています。

生還する切っ掛けは独り丸腰の日本人青年(鈴木某)との接触でした。二人が出会った場所は、かつて銃撃戦で"戦死"したヒトの名をとって現地で は"Kozuka Hill"と言われていた小高い丘です。私もその丘へ登りました。その丘から観た写真です。眼下にルバング島の集落が転々と見える見晴らしのイイ場所です。あれから35年が経ちました。生還した日本兵はその後それぞれの人生を歩み、他界。そんな衝撃的な出来事があった事すら人々の記憶から消えようとしています。使命感を持ち続けた日本兵。その律儀さと忍耐強さ。日本人であることを誇りに思わずにはいられません。

旧友と酒を酌み交わす中で出た話しでチョット気になる事が一つ。当時、ルバング島で布教活動していたオランダ人老牧師の話しです。ジャングルの中で訊いた話しとして語ってくれたことは、日本兵は結婚しており子供もいる、というのです。生還後、小野田さんは一度もルバング島を訪れることはなく、早々にブラジルへ移住しました。彼の 心境はどうだったのか。老牧師の話しは事実だったのか否か。今となれば余計な事ですが、本当はどうだったのか、チョット気になります。

2010年7月27日火曜日

ピンピンコロリ(PPK)の条件は何か

男性79歳、女性86歳、男女平均83歳。四年連続世界一とのこと。三大死因、①がん、②心疾患、③脳血管疾患による死亡率が若干減少したことが記録更新へつながったとのこと。もし、がんでの死亡が克服されると3年。心疾患だと1年。更に長生きするらしい。「いつまで長生きできたか」で観ると日本は素晴らしい国です。が、「いつまで元気だったか」で観ると世界ランキングの順位はガックリ下がります。何故ならば、日本人はアメリカ人より5年も早く病気を患い、人生のトアイライトは寝たっきりが多い。PPK(ピンピンコロリ)で大霊界へ旅立つ日本人は7人中一人しかいません。

そして、日本は世界一の長寿国と思いきや、人口10万人当りの100歳人口はアメリカ人の方が多い。なんと日本人の2倍。もっとも圧倒的に白人が多く、それも経済的に豊かなお金持ちが多い。黒人は案外短命で67歳。地球人の平均寿命が68歳ですからアメリカ黒人は世界標準ということになります。オバマ大統領が目指すメディケア(高齢者医療保険制度)の対象年齢を65歳以上にしているのも納得。何となく裏がありそうですネ。日本も後期高齢者医療制度は75歳以上ですが、これもアメリカ流に考えればもう数年遅らせた方がイイのかも…。

アメリカ人の80歳以上を対象にした健康調査で最も好む運動のナンバーワンが散歩で次に水中歩行。プールで運動している高齢者が案外多い。元水泳コーチとしては嬉しい結果です。日本で同様の調査をすれば、プールは、多分、少ない。何せ10万人当たりのプールの施設数はアメリカの3分の1ですからネ。 もっとも80歳以上で運動している日本人は極めて稀です。

さて、世界一の福祉国家である北欧のノルウェーやスウェーデン。平均寿命は81歳。寝たきり老人は少ないようですが、老人の自殺者数も世界一。長生きすれば幸せだ、とは限らない。そんなところに人生の難しさがあるようですネ。

10年間、我が家の一員だった猫の一匹が今朝、永眠。数日前から覚悟はしていたのですが、イザとなるとショック。「命」の尊さを痛感。家族全員が落ち込んでいます。この悲しみは当分続きそうです。ましてや肉親の誰か「死」を向かえたら、どんなにショックか。そんなことになれば、本人の意思がどうであれ、家族としてはワラをも掴む想いで「延命治療」に頼るに違いありません。身近な「命」とはそういうモノなのでしょう。

2010年7月20日火曜日

北海道?九州?それともヤッパリ本州ですか?!

もし月収40万円のサラリーマンが毎月80万円のゴージャスな暮らしをしていたら・・・。勿論、生活費の半分は借金です。何と借金残高は収入の5倍強。年々借金は膨らむ一方です。今でも元金据え置きで利子返済だけでも毎月14万円。破局的ですネ。このサラリーマンは間違いなく自己破産への道を歩んでいます。でも、ご本人は案外平気な顔です。「オレなら大丈夫だヨ」とうそぶいています。その理由を聞いてビックリ。何故ならば、彼の殆どの借金は実家からのモノで巷の金融ローンからはわずかしか借りてないからだと言うのです。もしかしたら、実家からの借金ですから、始めから踏み倒すつもりなのかも知れません。

このヒトとは勿論「日本政府」のことです。実家とは「日本国民」のことです。知らず知らずのうちに一所帯当り1580万円の借金がある。これが今の日本の財政危機の実態です。国債残高は850兆円とか。この分だと早ければ3年後には1000兆円の大台へ。定年まじかな政府高官は1400兆円までは大丈夫と楽観的なことを言っているようですが、その言い分はとても信用するわけにはいきません。とにかく大台に乗れば国家破産へのカウントダウンが始まります。先進諸国の中で日本は国債残高が群を抜いて多い。GNP比率で150%なのですからネ。だからIMF(国際通貨基金)も、見るに観かげ、心配し始めました。

さあ、どうするべきか。早ければ3年後から消費税10%にアップしたいのが政府の本音。でも、その殆どは社会福祉には回らず、借金返済へ回るとみるべきでしょう。財政専門家は、社会福祉を充実させるには25%は覚悟しなければならない、とのこと。何ということでしょう。

ありえない話しですが、もし国づくりのモデルとして、スエーデンのような高負担・高福祉の大きな政府を望むヒトは北海道へ。逆にアメリカのような低負担・低福祉の小さな政府を望むヒトは九州へ。どっちもイヤだ。このまま中途半端な国でイイや…というヒトは本州へ。それぞれ望む国へ移動したら、どのような人口分布になるのでしょうか。多分、大半のヒトは本州を望むのかも知れません。そして、本州はヒトの重さでズルズルと沈み、国が滅んでゆくのでは…と思います。北海道、九州、それとも本州。貴方ならどこへ移り住みますか。

次の世代が夢と希望が持てる国。日本人で良かったと思える国であって欲しい。どのような国づくりを目指すべきか。悩んでみても仕様がないのですが、でも、私は悩んでいます。

2010年7月11日日曜日

ガラパゴス人が選ぶ明日の国づくり

あと数時間で参議院選の開票結果が出ます。ほぼ一年前、日本もいよいよ二大政党へ向かうのかという「政権交代」とやらが起きました。が、しかし、メインプレーヤーのレース放棄、陰のリーダーが雲隠れ、などで数ヶ月で挫折。またか…ウンザリする政党リーダーの交代劇。この20年で16回目の交代です。こんな見っとも無いレースをこれからも続行するのか。別のルールでレースをやり直すのか。日本人は自分の国の形をどうしたいのか。今日は日本の明日を選ぶ一つの区切りです。

なぜ衆議院と参議院があるのか。二院制は無駄なように見えるが、衆議院で可決したことを参議院で再検討。念入りに間違いのない法治国家を創るために必要なのだ、と遠い昔に教えられえた覚えがあります。だから参議院の国会議員は特に良識のあるヒトでなければならないのだ…と。しかし、今日、投票所へ行って見ると、比例区は個人名、全国区は個人名でも政党名でもいずれでもOKなのだそうです。なんか変だナと思いました。二院制の良さはいつの間にか失われ、参議院は第二衆議院化されていました。事実上、一院制です。ですから良識のヒトかどうかより、まずは有名なヒトか否か。名簿の中は知名人オンパレード。こんな古ぼけた選挙システムで言い分けない。でも一人ひとりが「どうでもいいヤ」「なんとかなるサ」「ダメならダメで誰か考えればイイ」と何となく思っている。それが怖い。

この日本人の能天気さ。不思議なことに日本国内に居るとコノ「変てこさ」が分からない。だから変が当たり前になっている。コレが怖い。今夜、どんな開票結果になるのか。民意が選ぶ国の方向なのですから、結果がどうであれ、止むを得ない。チョッと楽しみでもあり、怖い感じがします。

2010年7月4日日曜日

当面はプランクトンの力で海水を浄化する?



昨日、フロリダから戻ってきました。

今月から日本政府は中国人観光ビザの発給枠を大幅に緩和。これまでの富裕層から中間層の人々も受け入れるとか。発給枠10倍アップ。それが背景にあるのでしょう。成田空港は小学生の修学旅行客で混雑していました。中国から子供たちが日本へ来る。そんな時代なのですネ。

メキシコ湾の原油流失のことでフロリダで知人から聞いた話しです。英国BP社の無策ぶりにイライラしている米国政府。独自の解決策の一つが、何と、プランクトンの力を借りるプランなのだそうです。つまり、原油をプランクトンに食べてもらうことで海水を浄化することを検討中とか。もともと石油は天然モノですから、ヒトが造った化学薬品で中和させるより、遥かに地球環境に優しい。なるほどネ。いずれにしても気の長い話しです。

地球が生まれて46億年。生物は36億年。海は生命の源なのですから、海の回復力に期待しまlしょう。