もし幼い子から「サンタクロースってほんとにいるの?!」と聞かれたら、あなたならどう答えますか。そんなの<いないに決まってるだろう!>と言うか<絶対いるよ!>と言うか。そして、その子から「なぜ、そうなの?」とその理由を聞かれたら、どう答えますか。思案のしどころですネ。何故ならば、これはあなたの物事に対するパラダイム(見方や考え方)を問われているからです。
100年ほど前、『The New York Sun』というNY新聞社へ届いた1通の手紙。当時8歳の子から同じ質問が寄せられました。この新聞社はこの質問にまじめに答えます。それも社説で取り上げたのです。
こんな大切な質問を寄せてくれてありがとう。私たちを信頼してくれたからだと思います。とても嬉しいです…云々…で始まる短い文章(Is There A Santa Claus?)での社説は大変な反響を呼びます。後々、一冊の本となり、ブロードウェーのミュージカルとなり、ハリウッドで映画にもなります。今でもクリスマス・シーズンになるとアメリカのあちこちで取り上げられ、人々に語り継がれる古典的なストーリです。社説を書いた記者は次のように答えました。要するに…
サンタクロースなんていない…と言うヒトは間違っている。目に見るものしか信じないというヒトはいるが、そのヒトは心が狭く、疑い深い。心の狭いヒトは、よく分からない事はみんなウソだと決め付けてしまう。しかし、私たちの頭で考えられることはとても限られている。所詮、人間の知識や知恵はチッポケなものでしかない。世の中のことを全て分かることは不可能。人間の心には「愛」や「思いやり」や「真心」がある。そんなモノは目に見えないのだから信じられない…と言うヒトがいるのなら、その人の見方や考え方はおかしい。それと同じことでサンタクロースなんかいないと言う人の考え方はもともと間違っている。世の中には愛や思いやりや真心で満ち溢れている。だからこそ生きることは美しく・楽しく・素晴らしいのだ。
もし、サンタクロースがいないと言うなら、この世の中は暗く、実につまらない。くだらない世界だ。サンタクロースは絶対いなければらないのだ。何故ならサンタクロースがいるだけで、人生の苦しみや悲しみを和らげてくれる。だた目に見えるモノ、手で触れるモノ、感じるモノだけでは人間は決して生きてはいけない。信頼や想像力や詩やロマンがあり、愛や思いやりや真心があるからこそ、生きてゆく価値がある。それが力となり、光となるのだ。サンタクロースはちゃんといる。いつまでもいる。一千年後も、百万年後も、人々の心の中でサンタクローズはいまと変わらず、生き続け、人々を喜ばせてくれるに違いない。
このような文章で結ばれています。この本(サンタクロースっているでしょうか)は日本語にも訳されています。興味ある方は購入してみてはどうですか。出版社は偕成社。自分のパラダイムを問い正すよい機会になるかも…。なにはともあれ…